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【学内限定】知的財産の概要と特許検索エンジン“SCOUT”について(2022年9月21日)

IGIセミナー「知的財産の概要と特許検索エンジン“SCOUT”について」(2022年度第2回)

大学での研究を研究のままで終わらせるのでなく、社会に役立てようと チャレンジする時に、どうしても知的財産の基礎知識が必要になります。
本セミナーでは、日立中央研究所の民間時代に特許の重要性を体験し、その後筑波大学で大学の知的財産をマネージした経験から、“大学における 知的財産” のポイントを紹介したいと思います。
また、今年、当学が導入した世界最大規模の技術情報 DB を持つ特許検索エンジン “SCOUT” の使い方を紹介します。

ポスターのPDFファイルはこちら

開催概要

日時2022年9月21日(水曜日)10時00分~11時00分
開催方法Zoomミーティング 
対象お茶の水女子大学の学部生、大学院生、教職員など学内の方
講師内田 史彦(ジェンダード・イノベーション研究所 特任教授)

開催報告

2022年9月21日(水)、第2回IGI学内セミナー「知的財産の概要と特許検索エンジン“SCOUT”について」が開催された。参加者は22名であった。これまで学内で特許や知的財産権について学ぶ機会の提供はあまりなかったこともあり、特に人文科学や社会科学分野の研究者にとって絶好の機会となった。

本セミナーの目的は、「イノベーション」の事業展開で重要となる、特許や知的財産権の重要性や基礎知識を学ぶことである。講師は、内田史彦IGI研究所特任教授が務めた。内田先生は、民間企業の研究所に長年勤めた経歴もあり、特許や知的財産権について造詣が深い。

セミナーの構成は、前半では、初心者向けの知的財産の基礎に関するレクチャーと大学の特許について、後半では、世界最大規模のデータベースを保有する技術情報探索・分析ツール“SCOUT”の概要および検索方法が説明された。国際特許件数の上位は、米国や中国の大学が占めており、日本と米国の特許ライセンス収入は100倍以上もの開きがあるという。その背景には、日米の産学連携や訴訟文化の違いなどがある。

SCOUTはWellspring社が提供する知的財産運用システムの1つであり、特許情報、研究者や研究機関のネットワークなどの様々な情報がわかりやすく図示されるシステムである。SCOUTのようなツールを用いて、日本の大学における特許ライセンス収入の増大を図る施策が必要となると説明された。なお、本年度、IGI研究所が開講している「LA演習I:ジェンダード・イノベーション起業演習」にも、内田先生によるSCOUTを活用した講義を含めている。

本セミナーにより、理系の教員・学生だけではなく、文系の研究者・学生、職員に対しても、知的財産の重要性を認識する機会を提供することができた。終了後のアンケートから「機会があればSCOUTを使ってみたいと思った」、「知的財産の基礎知識だけでなく、なぜ大学においても必要とされるのかという点も含め、大変勉強になった」という声が寄せられ、参加者の特許や技術情報に対する興味関心が高められたようである。IGI研究所は、今後も、ジェンダード・イノベーションや性差研究に関するセミナーを開催していく計画である。

 

 

セミナー講師:内田史彦特任教授

記録担当:山本咲子(IGI 特任リサーチフェロー)

【参加者数】22名