社会発信公開イベント
ロンダ・シービンガー教授講演会(2023年11月27日)
ロンダ・シービンガー教授講演会「ジェンダード・イノベーション:科学と技術のさらなる高みへ」
ジェンダード・イノベーションの提唱者であるロンダ・シービンガー先生をお迎えし、科学・技術研究に性差とジェンダーの視点を取り入れることによる、新たな発見や革新の可能性についてお話しいただきます。
保健・医療分野はもとより、ロボット工学やコンピューターサイエンスなどの工学分野においても、ジェンダード・イノベーションの重要性への認識が高まってきています。
最新のケーススタディや各国の関連政策ついて学ぶことは、日本における今後のジェンダード・イノベーションの展開への手掛かりとなるでしょう。ジェンダード・イノベーションの最先端の議論に、ふるってご参加ください。
今回はシービンガー先生の来日講演です。多くの方の対面会場へのお越しをお待ちしています。
開催概要
日時 | 2023年11月27日(月) 13:20~14:50 |
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開催方式 | 対面とオンラインのハイブリッド方式(参加費無料・要事前申込) 【対面会場】お茶の水女子大学 講堂「徽音堂」 |
対象 | 一般公開(ジェンダード・イノベーション研究や技術開発に関心のある政府・企業・大学・研究機関の関係者、本学学部生・大学院生・教職員、一般の方) |
言語 | 英語・日本語(同時通訳あり) |
主催 | お茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所(IGI) |
問合 | ジェンダード・イノベーション研究所事務局 igi-office@cc.ocha.ac.jp |
プログラム
13:20~13:25 | 司会:加藤美砂子(お茶の水女子大学理事・副学長/IGI副所長) |
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13:25~14:25 | 講演:「ジェンダード・イノベーション:科学と技術のさらなる高みへ」 |
14:25~14:45 | 質疑応答 |
14:45~14:50 | 閉会挨拶:石井クンツ昌子(お茶の水女子大学理事・副学長/IGI所長) |
講演要旨
ジェンダード・イノベーション:科学と技術のさらなる高みへ
性差、ジェンダー、交差性の分析の創造性は、どのように発見とイノベーションに活かせるのでしょうか?本講演では、ジェンダード・イノベーションとは何か、どのように機能するのか、その方法とケーススタディを探求します。
ケーススタディとしては、健康・生物医学、機械学習・人工知能、ロボット工学、気候変動、コンピューターサイエンスのカリキュラムを取り上げます。
また、研究助成機関、査読付きジャーナル、大学や研究機関における推進施策についても議論します。科学技術のグローバルな展開に対応するため、ジェンダード・イノベーションは、米国、ヨーロッパ、カナダ、アジアの220人以上の専門家の協力によって開発され、欧州委員会、米国国立科学財団、スタンフォード大学などが資金提供しています。
参考文献
- Sex, Gender Analysis Improves Science and Engineering Nature (2019)
- Gendered Innovations 2: How Inclusive Analysis Contributes to Research and Innovation (Luxembourg: Publications Office of the European Union, 2020)
- Ensuring that Biomedical AI Benefits Diverse Populations eBioMedicine (2021)
- A Framework for Sex, Gender, and Diversity Analysis in Research Science (2022).
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https://mailman.stanford.edu/mailman/listinfo/genderedinnovations
講師紹介
ロンダ・シービンガー Londa Schiebinger
スタンフォード大学歴史学科ジョン・L・ハインズ科学史教授。「科学、保健・医学、工学、環境学分野におけるジェンダード・イノベーション 」プロジェクト創始者。
「科学と技術におけるジェンダー」研究の国際的な先駆者であり、国連、欧州議会、多くの研究助成機関で講演活動を展開している。ハーバード大学で博士号を取得。アメリカ芸術科学アカデミー会員。
ドイツのアレクザンダー・フォン・フンボルト財団フンボルト研究賞、米国のグッゲンハイム・フェローシップなど栄誉ある賞を多数受賞。2018年にスペインのバレンシア大学、2017年にスウェーデンのルンド大学、2013年にベルギーのブリュッセル自由大学から名誉博士号を授与されている。
多数の著書のうち、邦訳出版は『科学史から消された女性たち:アカデミー下の知と創造性』(工作舎、1992年、2022年9月改訂版発売予定)、『女性を弄ぶ博物学:リンネはなぜ乳房にこだわったのか? 』(工作舎、1996年、2008年第2刷)『ジェンダーは科学を変える!? 医療・霊長類学から物理学・数学まで』(工作舎、2002年)、『植物と帝国:抹殺された中絶薬とジェンダー』(工作舎、2007年)。
ジェンダード・イノベーション関連では、『Gendered Innovations: How Gender Analysis Contributes to Research』(欧州委員会、2013年)、『Gendered Innovations 2: How Inclusive Analysis Contributes to Research and Innovation』(欧州委員会、2020年)などのほか、『Secret Cures of Slaves: People, Plants, and Medicine in the Eighteenth-Century Atlantic World』(スタンフォード大学出版、2017年)、ロバート・プロクター氏との共著『Agnotology: The Making and Unmaking of Ignorance』(スタンフォード大学出版、2008年)があり、多くの言語で翻訳出版されている。